記事にご興味を持ってくださりありがとうございます。イラスト・ゲームイラスト制作会社ミリアッシュの代表をしている竹谷彰人と申します。
前回の記事『【読む会社案内】ミリアッシュはゲームイラストを中心としたイラスト制作会社です!』は、おかげさまでたくさんの方にお読みいただきました。本当にありがとうございます。
そちらでは、キャラクターデザインを始めとしたお受けしているイラストの種類や、実制作に入るまでの主なフロー、また他社様と比較した際の弊社の特色といったものを書きましたが、今回はイラスト制作の内容に一段踏み込み、サンプルイラストを添えつつその工程について話せていければと考えております。
前回同様、あまり硬くならない文章を心がけております。あらかじめご了承くださいませ。
かなりざっくりとした線で描かれ、色のないものや、付いても数色といった段階のイラストです。
こちらの工程は省略されるケースもありますが、
「イラストの完成形を少しずつ煮詰めていきたい」
「まずは大まかな方向性を確認したい」
といったご依頼の際に、構図案からスタートさせていただくことがございます。
ご認識を早期からすり合わせていき、「思っていたものと違う」といった後々生じ得るかもしれないリスクの削減を狙いとしているため、弊社と初めてのお取引となるクライアント様や、版権(IP)イラストのトライアルなどで導入する場合もございます。
構図案(大ラフ、白黒ラフ)の工程では、主にイラストの下記部分をご確認いただいております。
- 仕様書・指示書内容に合っているか
- キャラクターのポーズ
- キャラクター、アイテムイラスト等の配置
- 大まかな背景デザイン
デザインやデッサン、および配色はこの時点では確定せず、全体的な雰囲気を見ていただきます。
線はまだ整っておらず、最終的な色味を想像できる程度の色が付いたイラストです。
定期的に依頼をいただくご案件を始め、多くはこちらの工程よりスタートすることが多いです。
構図案(大ラフ、白黒ラフ)を挟まなかった際は、仕様書・指示書内容に合っているか等含めてこちらの工程で確認します。
色ラフの工程では、主にイラストの下記部分をご確認いただきます。
- デッサン
- デザイン
衣装や装飾、髪型、表情など、キャラクターを含めたイラスト全体に関する要素や配色を決めて参ります。
デザインとポーズに関しては、極力こちらの工程で確定とさせていただいております。
ラフの段階にて残っている不要な線を整えた、色を含まない線だけのイラストです。
版権(IP)イラストのご案件にて、こちらの工程を取り入れることがございます。次の着色工程にて同時に確認する際は、省略されることもございます。
線画の工程では、主にイラストの下記部分をご確認いただきます。
- デッサン
- デザイン
色ラフと同様の内容となりますが、より一層細部に渡ってデザインのすり合わせを行います。
デザイン、線、色、すべてがまとまりきったイラストです。
これまでの工程でご確認いただいた要素の、最終的なクオリティを見ていただきます。
着色(完成稿)の工程では、主に下記をご確認いただきます。
- 塗りこみ
- 質感
- エフェクト
当初の仕様書・指示書内容はもちろんのこと、制作の過程でいただいたフィードバックが反映されているか等、つぶさにチェックが入ります。
こちらで問題なければご納品となり、成果物(PSDデータ等)のお渡しとなります。
制作外のお話とはなるのですが、お金の流れも書かせていただくと、弊社では基本的に月末締めの翌月末払いにてご依頼をお受けすることが多いです。9月中にご納品となったイラストは、10月末日までにお振込みいただく、といったイメージです。
また、お力添えいただいた作家さんへのお支払いは、月末締めの翌月25日払いとさせていただいております。
設立当初は、クライアントからの入金を経た上で払えるよう翌々月の5日払いでしたが、
「弊社のメンバー・スタッフの給料日が25日であるのに対し、作家さんがそれより10日遅いのは、優先順位を付けているようで何か変ではないか」
と考え始め、一緒にした次第です。
2017年に設立されてから、ミリアッシュはおよそ5年が経ちます。ミリアッシュのメンバーは前社もイラスト制作会社に勤務していたため、そこから指を折っていくとそろそろ10年弱イラスト制作に従事していることになり、近々両手でカウントできる数を超えます。
質と量の双方のクオリティを保つ観点から、弊社は今回記した制作工程を守り続けています。
また、ミリアッシュは3Dやアニメの制作等はお受けしておらず、イラスト制作だけに特化し、それを専業としております。
長くひとつの事業に従事していると、仕事の常識といったものは、良かれ悪かれどんどん凝り固まっていくように感じます。イラストレーターさんや弊社にとっては当然のことが、ほかの業界の方々から見れば、意外性が高く、また刺激的な仕事内容である可能性も低くはないかと思います。
このイラスト制作ガイドラインが、すでにイラスト制作に携わっている方はもちろん、これから頼む・頼まれるという方々や、イラストが好きな皆様にとって、何かしら得るものがありましたら幸いです。
お読みくださり誠にありがとうございました。